広島の街の喧噪も、特別な音楽に。 Keishi Tanaka 弾き語りライブ

2017.5.11(thu)@Cafe Central
Keishi Tanaka presents [ROOMS TOUR 2017]

路線バスや車の通りも多い広島のメインストリート・中央通りに面した、シャンデリアのあかりとソファーでくつろげるCafé CentralでKeishi Tanaka presents
[ROOMS TOUR 2017]広島公演は開催された。このツアーはアコースティックギター1本で全国を旅する企画で、カフェを中心とした比較的小さな会場をまわっている。
また、いままで発表してきた楽曲の歌詞をおさめた自身初の詩集『真夜中の魚』のお披露目ツアーでもある。


カフェライブのいいところは、アーティストとの距離が物理的にうんと近いこと。お客さんとも気軽に会話できるアットホームな雰囲気で、とにかく居心地がいい。
さらにこの会場に限って言えば、外から聞こえてくる車や信号の音といった広島の街の喧騒がギターと歌に絡まり、この場所でしか味わえない心地よいグルーヴが生まれていく。
「きょうはゆっくり演りたいと思います!」と簡単に挨拶して、一音一音ギターの音色を確かめるように鳴らしながら、静かに歌いはじめた『Crybaby's Girl』。
まっすぐ、ぐんぐんと伸びていくKeishiの歌声。歌にじんわり染み込む、やさしいギターの音色。会場とお客さんの心は、みるみる音楽に包まれていく。


詩集『真夜中の魚』の帯コメントを手掛けたというカジヒデキの『ハートじかけのオンガク』や、ザ・なつやすみバンドの『せかいの車窓から』、さらに最近ストレイテナーのホリエアツシと弾き語りをしたときにセッションした話の流れから、
THE BACK HORNのカバーも披露。「二人で演奏したからうまくいくかわからないけど・・・」と歌い始めたのは『空、星、海の夜』。山田将司の強さと繊細さが相まったボーカルもいいが、Keishiのしなやかなボーカルもすごく合う。
原曲とは違った魅力を感じられることも、カバー曲の楽しさ。確かなTHE BACK HORN節を感じながら、いつかは広島で共演を!と願うばかり。
また、詩集『真夜中の魚』の内容を話し、「リディムの楽曲や話題に触れるのは別にタブーじゃないですよ(笑)」と、彼のキャリアの礎となったバンド、Riddim Saunterの曲も演奏し、お客さんからは歓喜の声も上がった。


今回のツアーの一番の見どころといえば、お客さんからのリクエストコーナーだ。ちゃっかりとリクエストしたら採用されてしまい、恐縮しながら聴いた『透明色のクルージング』。
fox capture planとのコラボレーションによるピアノジャズの凛とした緊張感と浮遊感満載のサウンドは、まじりっけなしの歌とギター演奏に変化して、心がウキウキする!
その後、モデルの紗羅マリーがボーカリストをつとめるLEARNERSとのロカビリーなコラボ曲『Just A Side Of Love / 恋のすぐそばで』も演奏。
「紗羅がいなくたって問題ないぜ!」と、二人分のパートを歌いこなすKeishi。みんなで一緒に楽しく歌って、本編は終了。


アンコールで最後に演奏したのは、『夜の終わり』。ソロとなり初めて発表した弾き語りの楽曲で、このツアーを象徴するラストナンバー。
名残惜しい気持ちでいっぱいになりながら耳をすませて聴いた。


Keishi Tanakaを一言で表現するならば、『壁をつくらない人』だ。あらゆるジャンルの音楽も、個性の強いアーティストとのセッションも、
どんな会場でも乗りこなせる柔軟な姿勢を持ったアーティスト。元気な曲も静かな曲も聴くたびフラットな気持ちにさせてくれるのは、表現がぶれないから。
ライブ会場にいる誰一人置いていかないのは、きっと彼の人柄によるものだ。


この文章がもしあなたの目に留まったなら、どうか世の中の流れを気にせずあなたのアンテナでKeishi Tanakaの音楽に出会ってほしい。

日常感
★★★★☆
アットホーム感
★★★★☆
フットワークの軽さ
★★★★★

Keishiさんの人柄にリンクした音楽の魅力を伝えたくて、
私がDJを担当しているRock It Out!のオープニングジングルをオファーしました。
(4月から毎週日曜日18時~放送中!)
ロック魂にあふれるKeishiさんのライブは、いつも心をまっすぐにしてくれます。
広島の音楽好きに少しでも伝わればいいなと、今回レポートもさせていただきました。
6/27(火)福山SO・S DINERでの弾き語りライブは、20時~。
福山方面にお住まいの方はもちろん、広島方面からもお仕事帰りにぜひ♪

Keishi Tanaka『真夜中の魚』


書籍
【単行本】112ページ
【出版社】シンコーミュージック 四六版 (2017/4/14)
【言語】日本語
【カテゴリー】音楽書
【販売価格】¥2,000(税込)

Keishi Tanaka、Riddim Saunter、カジヒデキとリディムサウンター、THE
DEKITSなど様々な名義で発表されてきた作品の中から選ばれた言葉たち。
彼が鳴らしてきた声を読む。

バンドのヴォーカルとしての田中啓史、シンガーソングライターとしてソロで活
動するKeishi Tanaka。ミュージシャンとして、これまでに2つの表現方法を
経験してきた彼が、ソロになって5周年を迎える今、その集大成とも言える
音楽詩集を発売する。
これまでに発表してきた数々の楽曲からKeishi自身が選び、書いた
当時のテーマごとに分けて歌詞を綴っている。
さらに、そこに付け加えられた一言メモも必見。

Written by 広島FM『Rock It Out!』DJ 濱野 歩