ファンとともに、馬場俊英の歩んだ20年のあの頃

2016.7.18(月) 
@広島 ゲバントホール
馬場俊英20周年記念アコースティック・ツアー ME AND MY STORY

20周年を記念してのツアー、広島でのライブは初のゲバントホールでの公演。一階ホールと二階のバルコニー席に椅子が並べられ、ステージにはグランドピアノ。クラシカルなムード漂うこの会場でどんな演奏が行われるのだろうと想像を膨らませる。ステージに照明が当てられると、ピアノ、バイオリン、チェロ、ギターが登場し、最後にギターを抱えた馬場さんが登場。バイオリンにチェロ?と驚いたのも束の間、バイオリンのカウントで『君はレースの途中のランナー』が始まる。そして、ステージ後ろのスクリーンに、歌に合わせて歌詞が投影される。黒の背景に白文字というシンプルさが、馬場さんの言葉をビシビシと伝えてくる。

今回のライブは、馬場さん自身の20年とファンの20年を重ねながら、これまでの作品を振り返る演出になっていた。『右と左の補助輪』『待ち合わせ』では、作品にまつわるファンのエピソード「マイ・ストーリー」が紹介され、その内容は、幼い頃の家族との思い出、家族との別れの話だった。エピソードを聞いて感情が込み上げてきたところで演奏がスタート。反則ともいえるタイミングと馬場さんのやわらかい歌声に、もう涙なしでは聴けない状況だった。きっと会場にいた一人一人が、曲とストーリーをリンクさせ目を潤ませながら聴いていたはず。

ライブの中盤では、馬場さん自身の作品にまつわるエピソードを紹介する「アルバムピックアップコーナー」があり、今回選んだのは4作目のアルバム『フクロウの唄』。レコード会社との契約が終わり、挫折を味わいながらも音楽で頑張りたいという想いを持ち続け、ほとんど自身が演奏もミックスもし自宅で没頭してつくった曲が詰め込まれた作品。自分のピュアな部分が凝縮され、自分が表現したいイメージが詰め込まれている、最も思い入れのあるアルバムだと語っていた。

20年という月日の中で生み出された作品が、馬場さん、そしてファンのストーリーとともに照らされ、ノスタルジックな空気に会場が包まれる。その後は、新曲『No.1』『アスファルトに咲く花』『I Have a Dream』が続けて披露され、これまでの自分を振り返って、今の自分を奮い立たせようというメッセージが込められているように感じた。ライブの最後には、今後の目標がスクリーンに映し出され、その文字は「目指せ!大ヒット!」。観客からは、笑いと「おぉ」という高揚の声。馬場さんはこれからも、20年、30年とファンとともに歩み、まだまだ上を目指していくようだ。

調和度
★★★★★
クラシカル度
★★★★☆
ノスタルジック度
★★★★★

Written by kyonnosu