結成26年を経た、the pillowsのまっすぐな音

2016.7.16(土)
the pillows
@HIROSHIMA CLUB QUATTRO
the pillows TOUR 2016 “STROLL AND ROLL TOUR”

「カッコいいのかカッコ悪いのかよく分かんないヤツ」が、目一杯カッコつけて奏でるたまらなくカッコいい音楽。それがthe pillowsの音楽だと思う。
※「」内はMCでさわおさんか使った言葉がファンとしてもシックリ来たので失礼ながら拝借した。

結成26年という月日を経ても、ピロウズに変な大御所感はない。この日もさわおさん(vo&gtの山中さわお)は新幹線の乗車マナーをMCで熱く語っていた。超真面目でまともな意見で、「ごく普通」のイイ人の主張だ。

しかし曲中はそんな姿が一変する。
この日も最新アルバム「STROLL AND ROLL」の1曲目に収録されている
「デブリ」からスタートしたライブは、序盤から飛ばしまくりだった。

さわおさんがモニタースピーカーに片足を乗せ、客席を見回し、腕を回してピッキング、ギターを銃のように構えて客席を狙い撃つ。「自然体だけど奏でる音楽はカッコいい」的なスタイルが「逃げ」に思えるほど、全力で「カッコつけて」、確信を持って「ロック」してくれる。
ロックスター然としたその姿は、ギャップも相まってもう、思わず笑ってしまうほどカッコいい。
もちろんシンちゃん(dr佐藤シンイチロウ)がシンプルながらグルービーにビートを刻む姿も、Peeちゃん(gt真鍋吉明)がセクシーにオリジナリティあふれるフレーズを奏でる姿もたまらない。

ピロウズの曲は基本ポップでキュートだ。そこに以前は反骨心や不満が溢れていて、それがまた良かった。だが今のピロウズには、とがった部分はありながらも「楽しさ」が満ちている。

1年の休止を経ての活動再開以降、さわおさんは今のピロウズの状態に対しての満足感を各所で語っている。この日のライブ中も何度となく「いいね」「気分がいい」と口にしていたし、本当に楽しそうだった。(色々あったらしい直前の博多との対比もあったようだが、そこは当日参加したファンの秘密...)


そんな状態でライブをしてくれれば当然ファンも楽しい。
カッコよくて楽しくて、もうフロア中みんな笑顔。

うん、ロックは楽しいのだ!

「ロックとは○○だ」という定義はそれこそ無数にあれど、数多の少年少女がロックに初めて触れた瞬間から、ロックの虜になってしまうのは何より「楽しい」からだろう。

この日のセットリストも「ロックンロールと太陽」「ROCK'N'ROLL SINNERS」「ターミナル・ヘヴンズ・ロック」「About A Rock'n'roll Band」とタイトルだけでも「ロック」目白押し!色々なモヤモヤを全て昇華してくれるようなロックミュージックの魅力にあふれていた。

26年間、紆余曲折を経たthe pillowsが、そんな原点ともいえる気持ちを思い出させてくれるようなライブをしてくれること。その素晴らしさに感動しきりの1日だった。

最後にラジオ人として、"音楽に出会わせてくれたラジオへの愛を込めて"とさわおさんが「レディオテレグラフィー」を作り唄ってくれたことに感謝しつつ、今後もラジオがきっかけで音楽に目覚めるリスナーが生まれてくれることを願ってやまない。

ファンとの一体感
★★★★★
30周年迎えて欲しい度
★★★★★
[Alexandros]度
★★☆☆☆

ピロウズが主題歌を担当した「フリクリ」の続編の話題で盛り上がるファンに、さわおさんが一言。「次の主題歌[Alexandros]とか、カッコイイバンドが担当しても盛り上がるんでしょ?」。でも、[Alexandros]のカッコよさとピロウズのカッコよさは違う…。大学時代のバンド仲間と何故ピロウズがカッコイイかを何度も語り合ったことを思い出す。曲作りに迷ったら「ピロウズの○○っぽく」ってやっていたなぁ。

Written by BB