矢野顕子+TIN PAN フルコースな夜

2016.12.12(月)
@HIROSHIMA CLUB QUATTRO
HIROSHIMA CLUB QUATTRO 15th ANNIVERSARY
矢野顕子40th Anniversary さとがえるコンサート2016

矢野顕子+TIN PAN
どれだけ待ちわびた事だろう。この音を。


開場の段階からいつもの雰囲気とは違う表情のクアトロのステージには、グランドピアノとNORD、そして、ドラム ギター、ベース。
会場を埋め尽くした人々の顔は、師走の忙しさも12月の寒さも感じさせないほど柔らかくそして、期待に満ちていた。
開演。
矢野顕子さんが登場され、会場の空気が一気に暖かくなる。
それは幼少期、はらぺこの夕方にご飯が出てきた時のあの気持ちと似てる。

《ひとつだけ》のイントロが流れ、会場から声が上がる。
♪離れている時でも私の事忘れないでいて欲しいの...
忘れたことなんかないよ!という観客の温かい視線の中、2曲めは《電話線》
もう、この2曲の前菜だけで、心が満たされていく。

そして、TINPANのメンバーが合流して バンドスタイルに。
するとどうだろう。クアトロが、今まで鳴らした事がないほどの 膨よかなバンドサウンドが響き始める。箱さえ歓喜しているのかもしれないな。と、思う抱擁感。

どれかの楽器が特別に出過ぎる事もなく、溶け合い混ざり合い。
まさに、何年も時を超え受け継がれている伝統の「 味」 が、そこにあった。

矢野顕子さんが言う
『歴史的建造物をお届けします』

そうだ。
まさに、そうだ。
矢野顕子さんそして、TIN PANのメンバーの細野晴臣さん、林 立男さん、鈴木茂さん。
日本の音楽界を作り上げたみなさんだ。
私たちは、歴史的フルコースを味わいに来たのだ。
そんな矢野顕子+TIN PANフルコースは、なんとも贅沢すぎる特別メニューを届けてくれた。そう、新作を2曲届けてくれたのだ!
新曲1曲めは、『野球が好き』
2016年の広島といえばカープ。カープの話や黒田選手の話を矢野顕子さんがしてくださり否が応でも会場は盛り上がる。そして、歌とともに照明さんが「赤」を灯し、ベーブ・ルースの歌詞とともに照明が「青」になるという可愛い演出!

新曲2曲めは、なんと『SUPER FOLK SONG RETURNED』
あの、『SUPER FOLK SONG 』各駅停車の逃避行の続編だ。矢野顕子さんがMCで 糸井重里さんは天才だと話し、過去の名作か顔を覗かせるというヒントを教えてくれてからの歌唱だったが...
なんと!「どこかにポチッと赤い色」あの代表曲ではないですか!!
そして、もともとの歌詞にある はっぴぃえんど の単語が並び、聴いている側としてはニヤニヤが止まらない。
なんていうユーモア
なんていう暖かさ

出過ぎず やり過ぎず 心にストンと入って来て、全てが腑に落ちる感じ。
そうまさに。お母さんの夕ご飯だ。

休憩を挟んで2部構成のライブは、
矢野顕子さんのお色直しとともに、バンドの装いも変化。
フロント立ちボーカルでキュートな矢野顕子さん。
Vibesを叩きながら歌う矢野顕子さん。

あまりにすべてがさり気なく行われるけれど、
あまりにすべてが新しく、そして温かい。

色とりどりな演出、音楽に包まれながら、会場はアンコール最後の曲を迎える。
《ごはんができたよ》
矢野顕子さんは、歌う ♪辛いことばかりあるなら帰って帰っておいで

本来ならこちら側が「また帰ってきて!」と言いたいタイミングのはずなのに、あまりにも音に満たされて、場所がどこであれ矢野顕子さんに「ただいま!」と言いたくなるラスト。
どこまでも懐の広い音楽に包まれ、すべて満たされて、
矢野顕子+TIN PAN 広島の歴史的一夜最高に温かい夜。


「ごちそうさまでした」

お品書きの満足度
★★★★★
サウンド
★★★★★
次も見たいと思わせる期待度
★★★★★

Written by にかもとりか