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2016年7月 8日
7月8日 染色型絵染作家 山城直子さん

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ゲストは染色型絵染作家として福山市で活動する山城直子さん。これまで新匠工芸会の会員として数々の賞を受賞されてきましたが、この度2015年度日本伝統工芸展でも見事初入選をはたされました。
神戸で生まれた山城さんは幼い頃から絵を描くことが大好き、家にあるすべての紙がお絵かき用になり常に紙不足だったほどです。お父様の転勤に伴って暮らした3年間のニューヨーク生活でも美術学校に通い学ばれ、帰国後は多摩美術大学美術学部日本画科に入学。日本画家としての道を目指していたものの伝統工芸作家の手伝いに行ったことがきっかで型絵染の世界を知ることになりました。
型絵染とは、もともとは沖縄紅型の技法が本土で発展したものではないかと言われています。デッサンした絵柄を型紙に彫り、型紙を布の上にあて米糊を置き染色すると彫った模様が布地に残るという染色技法。ハンカチやテーブルセンター、コースターといった小物から屏風や着物まで様々なものに施されます。
スタジオにも小物作品や着物の写真を見せていただきましたが、絹の着物の絵柄は細やかで、色も上品で美しくまさに計算し尽された大作でした。
そして驚いたのは学生時代の2年間を作家さんの下で学んだ後は、今に至るまでずっと独学で作品制作に取り組まれてきたということです。型絵染の仕事場を探しもとめて福山市に移住し30年。自然豊かな環境と地域の方の人柄すべてが山城さんの作家としての技術と心、そして作品を育ててくれました。広島だったからこそ続けられたとも話してくださいました。
山城さんは技術の向上や作品作りにとらわれるだけでなく、もち粉や大豆の汁など使われる材料から昔の人達の生活の知恵、先人の賢明さを感じながら制作され、そんな日本文化への敬意ある想いが作品へ大きく反映されているのかもしれません。作家として、また日本の伝統を繋いでいく伝承者としての道はこれからも続いていきます。